尖閣「平和解決を」 程中国大使が強調


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尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化について「話し合いで平和的に協議し、解決すべきだ」と強調する程永華駐日中国大使=2日、東京都内の大使公邸

 程永華駐日中国大使が2日、東京都内の中国大使公邸で琉球新報社の単独インタビューに応じた。尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり日中関係が悪化していることについて、程大使は「国対国の問題は基本的には武力や威嚇を使うべきではない」との考えを示した上で「話し合いで平和的に協議して解決すべきだ」と強調。「中日両国は文化的・経済的な連携を深める本来の軌道に戻るべきだ」と日中関係正常化を訴えた。

 尖閣をめぐる日中間の緊張の高まりを受け、中国政府の意図や今後の方針を知るため、琉球新報は3月中旬、駐日中国大使館に大使のインタビューを申し込んでいた。
 程大使は、尖閣の領有権について「歴史的に中国の領土だ。少なくとも明の時代から釣魚島を管理している」と、従来の中国側主張と同じ見解を繰り返した。その上で、2012年9月の日本政府による土地の購入(国有化)について「(棚上げという)40年前の(日中間の)合意を破壊した」と指摘し、尖閣諸島沖の中国公船派遣について「中国の権益を守るため対応せざるを得なかった」と説明した。
 一方で、現在の日中関係については「国交正常化以来の40年で最も困難な局面にある。領土問題はすぐには解決できないかもしれないが、話し合いを続けたい」と述べ、「中日両国は戦略的互恵関係が本来の道だ。両国の国益に合致するよう、協力関係を発展させるのが取るべき道だ」と話した。
 中国が沖縄に侵攻するという見方に対しては「沖縄に対して何かをするという意図は(中国側に)ない」と反論。「歴史的ないきさつがいろいろあり、中国大陸と沖縄は非常に深い関係だ。文化、生活習慣などで親近感がある」と述べた。

英文へ→Chinese ambassador to Japan insists upon the peaceful settlement of the Senkaku Islands dispute