北山、初の頂点 県春季高校野球


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 第60回県高校野球春季大会(県高校野球連盟主催、琉球新報社共催)最終日は6日、宜野湾市立野球場で決勝を行い、北山が2―1で真和志に競り勝ち、初の栄冠に輝いた。

同日、石垣市中央運動公園野球場であった3位決定戦は、八重山が7―4で八重山商工を破った。
 北山は三回に1点を先制し、八回に4安打を集めて決勝点を奪った。エースの平良拳太郎は被安打2、15奪三振の快投で勝利に貢献した。
 優勝した北山は第132回九州地区大会(20~25日、宮崎県)に県代表として出場する。

◆平良成長 15奪三振
 最後はストレートと決めていた。九回表、2死走者なし。カウントは3ボール2ストライク。マウンドには北山のエース・平良拳太郎。捕手・仲里正作は迷うことなく直球を要求した。「今までピンチを切り抜けてきたのは直球だった」と仲里。平良も「最後は直球で決めたい」と同じ思いだった。打席に立つのは今大会で本塁打を放っている真和志の砂邊大州。平良が投じた119球目は勢いよく仲里のミットに突き刺さり、空振り三振を奪った。「やっとここまで来られた」。平良は頂点に立った喜びをかみしめた。
 「去年は終盤に得点を奪われることが多かった」という平良。冬場は「自分に厳しくしよう」と1日10キロの走り込みをこなし、体力面を強化した。今大会では延長戦を投げ抜くなど成長を見せつけ、「試合で力を発揮できた」と手応えを感じている。
 決勝は立ち上がりから圧巻の投球だった。打者の外角に決まる直球のほか、大きく曲がるスライダーで三振を奪い、被安打はわずか2。「今日はコースを攻めることができて、スライダーも緩急つけて投げられた」と納得の表情を見せた。終わってみると毎回の15三振を奪い、「狙ったわけじゃないけど結果がついてきた」とはにかんだ。
 次の戦いは九州大会。「北山らしい粘りの野球をやれば必ず勝てる」と気持ちを引き締めた。
(平安太一)

県高校野球春季大会で初優勝を決め、マウンドに駆け寄って喜ぶ北山ナイン=6日、宜野湾市立野球場(渡慶次哲三撮影)
真和志―北山 毎回の15三振を奪う力投で勝利に貢献した北山の平良拳太郎=6日、宜野湾市立野球場(金良孝矢撮影)