竹富町公民教科書、東京書籍版を配布 採択権の正当性主張


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 【竹富】竹富町の各中学校で8日、始業式があり、各学校は町教育委員会が採択している東京書籍版の公民教科書を生徒に配布した。文部科学省は同一採択地区の石垣市、与那国町と同じ育鵬社版に統一するよう町教委に求めているが、町教委は教科書採択権の正当性を主張し、東京書籍版を使用する方向で検討している。

 文科省から同一採択地区内で同じ教科書を使うことを定めた教科書無償措置法に違反している状況への見解と解決策について回答するよう求められていることについて、町教委の慶田盛安三教育長は8日、本紙の取材に対し「採択権限は教育委員会にある。正当性を主張していかないといけない」と説明した。東京書籍版の使用に関する正当性や採択権限を定めた地方教育行政法と教科書無償措置法の矛盾点を解消する法整備の必要性などを文科省に回答する方針を明らかにした。
 また町内の各学校は東京書籍版の使用を前提とした教育課程編成書を2月末までに町教委に提出しているため、今後、教科書を変更することで学校現場に混乱が生じる可能性も指摘した。
 文科省への回答は町教委事務局で回答案を作成し、教育委員会に諮って決定する。委員会の会合は10日以降に開かれる見込み。
 公民教科書を使用する3年生は町内9校で31人。公民分野の指導は6月ごろから始まる。