『ライジング・ドラゴン』 ジャッキーはまだまだ現役!


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
(C)2012 Jackie& JJ International Limited,Huayi Brothers Media Corporation and Emperor Film Production Company Limited All rights reserved

 ジャッキー・チェン、アクション超大作引退作…らしい。今後も『ラッシュアワー4』とか『エクスペンダブルズ3』に出演するウワサもあるので、どこまで本気が分からないが、御年58歳だもの。ジャッキー映画に慣れ親しんできた日本人としては、そろそろお疲れさま!と肩をたたいてあげたい。

同様にジャッキーをねぎらおうと(?)と、本作に集まったキャスト陣が豪華。韓国からクォン・サンウ、台湾からスー・チー。中国のチアン・ウェンがナレーションで後方支援すれば、最後にチラリと顔を出すのは、ジャッキーの妻で元女優のジョアン・リンだ。そこに日本人キャストが入ってないのは寂しいが。
 肝心なアクションも、最先端技術にお世話になっている米国大物アクション俳優陣たちと比較すれば、ジャッキーはまだまだ現役。特に彼の十八番、小道具を使った“魅せる”カンフーはさすが。ただ物語は少々大味。美術品を盗み出しては高値で売買する悪徳企業の手下として働くも、国宝返却運動家らと出会い正義のために戦う道を選ぶというもの。群像劇かつ壮大なロケと風呂敷を広げすぎて、途中ダレる。でもそこには、相次ぐ美術品の盗難事件や、歴史の渦にまみれて略奪されたままになっている国宝を憂うジャッキーからのメッセージが込められているワケで。大甘の★★★★☆(中山治美)

 【データ】
監督・製作・脚本・主演:ジャッキー・チェン
脚本:スタンリー・トン
出演:クォン・サンウ、ジャン・ランシン
4月13日(土)から全国公開
(共同通信)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 なかやま・はるみ 映画ジャーナリスト。1969年水戸出身。スポーツ紙出身の血が騒ぎ、撮影現場やカンヌ、ベネチアなど映画祭取材に燃える。三池崇史、深作欣二、キム・キドク、アキ・カウリスマキなどひとクセのあるオヤジたちが大好き。