「主権回復の日」 知事、式典出席せず


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仲井真弘多知事

 サンフランシスコ講和条約が発効され、沖縄が米国施政権下に置かれた4月28日に政府主催で開かれる「主権回復の日」式典について、仲井真弘多知事は10日、式典の出席を見合わせ、高良倉吉副知事を代理出席させることを決めた。

政府に同日回答した。県民から式典に反発も上がる中、知事自身の出席は避けた。式典の出欠は10日が政府への回答期限に設定されていた。
 高良副知事は同日、記者団に対し、「県内でいろんな意見がある。県民感情、県民の思いに配慮されたのだと思う」と知事の欠席理由を話した。
 一方、仲井真知事は談話を発表し、「式典について県民にはさまざまな意見があることを、政府は理解いただきたい」とコメントし、政府に県民感情に配慮した形で式典を開くよう求めた。
 仲井真知事はこれまで、開催を決定した政府の方針に対し、「唐突感がある」として、出欠への判断を期限ぎりぎりまで保留していた。
 式典開催をめぐっては県議会が3月29日、式典開催に反対する抗議決議を、退場した自民党会派を除く全会一致で可決。那覇市や糸満市などの市町村議会でも意見書や抗議決議を可決している。
 式典開催日の28日には県議会野党・中立系会派が式典に抗議する集会を同時刻に宜野湾市で開くことを予定している。