竹富町教委、東京書籍を使用 公民教科書


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中学校公民教科書についての対応を協議する竹富町の教育委員=10日、石垣市の竹富町役場

 【竹富】八重山採択地区の中学校で使用する公民教科書が統一できていない問題で、文部科学省から教科書無償措置法に違反している状況への見解を出すよう要求されている竹富町教育委員会(石垣安信委員長)は10日、臨時委員会で対応を協議し、本年度も東京書籍版を使用するとの基本姿勢を確認した。

今週中に文科省への回答文をまとめ、県教育庁を通じて提出する予定だ。
 文科省が回答を求めているのは(1)3月1日に文科省が指導を行った後、具体的にどのような検討を行ったか(2)国による無償給付ができない状況についての見解と教科書無償措置法違反の状態を解消する方策(3)同一採択地区の他市町を含め、無償給付するための正規手続きが行えない状況への見解と解消策―の3項目。
 臨時委員会では委員5人が意見を交わし、回答文の柱を確認した。今後、事務局が微修正し、最終決定する。
 委員会終了後、慶田盛安三教育長は記者団に対し「違法性があるという文科省の解釈を、私たちは肯定していない。何ら瑕疵(かし)はない」と強調し、地方教育行政法にのっとった町教委の教科書採択権を主張した。さらに「4月からの教育課程は、2月末で決まっている。一日たりとも子どもの教育を停滞させることは許されない」と述べ、年度途中で教科書を変更すれば、学校現場に混乱が生じるとの見解を示した。