普天間騒音15%増 返還合意から17年


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 【宜野湾】米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが米軍普天間飛行場に配備された昨年10月から今年3月末までの半年間、宜野湾市上大謝名地区で同飛行場から派生する航空機騒音が9344回発生し、前年同期比で14・8%(1206回)増だったことが県と宜野湾市の騒音測定で分かった。

1996年に日米両政府が普天間飛行場の返還を合意し12日で17年の節目を迎えたが、オスプレイの配備で基地被害が増加している実態が浮き彫りとなった。
 上大謝名地区で2012年度全体の騒音発生回数は、オスプレイ配備前にCH46ヘリコプターの解体作業で配備機数が減っていたことなどから、前年を下回った。だが、オスプレイ配備後は騒音が顕著に増加している。さらに100デシベル以上の騒音をもたらすジェット機の飛来が相次いだことも、増加の要因とみられる。
 同飛行場を離着陸する米軍機による騒音を把握するため3月に騒音測定器を設置した北中城村では、飛行ルート直下に位置する同村大城や荻道で90デシベル前後の騒音を連日記録した。オスプレイが北部訓練場に向かう経路に近い沖縄市の東部地区でも、航空機騒音への市民からの苦情が08年の3件に対して、12年は29件で年々増加傾向を示すなど、同飛行場から派生する騒音被害が近隣市町村にも広がっている。
 一方、5日に日米合意した嘉手納より南の米軍施設・区域の返還計画で、普天間飛行場の返還期日が記された。政府は沖縄の基地負担軽減の成果を強調するが、米国防総省は14会計年度(13年10月~14年9月)の予算案で同飛行場の滑走路補修費を計上した。返還合意から17年を経たが普天間固定化の懸念は高まり、オスプレイ配備で基地被害は増加、危険性も一層高まっている。