教科書検定・採択 文科相、早期見直しへ


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 【東京】下村博文文科相は12日の記者会見で、教科書の検定・採択制度について「自民党に(夏の)参議院選挙前までに中間取りまとめをしてもらい、それを受けて文部科学省として検討したい」と述べ、早期見直しに積極的な姿勢を示した。文科省は竹富町に対し、保守色の強い育鵬社版の採択を指示している。だが採択権限は各教育委員会にあるとする地方教育行政法を根拠に、同町は東京書籍版を配布した。

今回の方針は、竹富町と同様の事例が全国各地で生じることを防ぐ狙いがあるとみられる。
 下村氏によると、自民党教育再生実行本部(遠藤利明本部長)は教科書検定・採択の見直しを検討する分科会を設置。7月までに中間報告を取りまとめ、文科省で制度改定に向けた検討を進める。
 下村氏は新制度での教科書検定・採択について「時期は今の段階で明確には答えられない。党内でどの程度まで深掘りした議論ができるかどうかだ」と述べた。
 また第1次安倍政権の2006年に改正された教育基本法で盛り込んだ「日本の伝統と文化を尊重」「愛国心、郷土愛」などの教育の目的について、下村氏は「改正教育基本法にのっとって新学習指導要領をつくったにもかかわらず、必ずしも十二分に理解されていなかった。党内で議論した上で、直すべきものは直していく必要があるのではないか」と述べた。