与那国配備白紙も 陸自沿岸監視部隊


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 【東京】君塚栄治陸上幕僚長は18日の記者会見で、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備をめぐり、与那国町と用地取得交渉が難航していることについて、「町側が迷惑料10億円を要求している状況が続くなら、白紙も含めて全体計画の見直しも検討せざるを得ない」と述べ、配備の白紙化と配備先変更を検討する考えを示した。

石垣島や宮古島を念頭に置いているとみられるが、「島の名前を挙げて検討している事実はない」とした。
 君塚氏は「(配備先で)距離的な条件などは違ってくるが、南西地域の防衛力強化のため沿岸監視の機能は必要だ」と強調。これまで与那国配備の意義を強調していたことには「部隊や機材など、与那国や違う場所でそれに見合ったものを検討する。同じ条件というわけではない」と説明し、南西諸島を念頭に全体計画を見直す考えを示した。
 一方、小野寺五典防衛相は記者団に対し「与那国の要請を受けて自衛隊の配備を検討してきた。計画をすでに見直したということではない」と説明した上で「迷惑料という話であれば、地元の要望に応えられないので計画全体の見直しもあり得る」と述べた。
 防衛省は2015年度末までに与那国島に艦船の動きなどを監視するレーダーを配置し、約100人の沿岸監視部隊を配備する計画を進めている。部隊用地として島内の南牧場を年500万円での借り上げ案を提示。これに対し町側は年1200万円の借地料と迷惑料などとして10億円を要求している。