米軍機また落下物 棒状ライト「海に置いた」


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飛行中のヘリから落ちた蛍光ライト3本(手前は15センチの定規)

 【嘉手納・読谷】17日午後10時40分ごろ、読谷村渡具知の沖合約1キロの海上で、米軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリとみられる航空機1機が、ケミカルライトと呼ばれる蛍光塗料を詰めた棒状のライト3本を落とした。

落下地点から約50メートル離れた場所で漁をしていた嘉手納町漁業組合所属の70代男性が目撃。回収して同町役場に届け出た。男性にけがはない。
 男性が船首を南西方向に向けて漁をしていたところ、南から北に低空飛行してきたヘリから明かりの付いた物体が船の東側に落ちるのを目撃し、回収した。
 ライトは長さ約15センチの棒状で、約2メートルのひもでつながっていた。男性によると、回収時、3本はそれぞれ赤、黄、青の三色に光っていた。
 航空機から物を落とすことは航空法第89条で禁じられている。だが米軍は、日米地位協定に基づく航空特例法により同条の適用から除外されている。落下について米軍は「認可された訓練域で暗視訓練の一環として海上に置いたもので、落としたのではない。毒性はなく、通常の救助訓練で使う」と回答した。
 読谷村漁協によると、落ちた場所は共同漁業権が設定されている漁場で、「米軍の訓練域ではない」としている。
 落下について當山宏嘉手納町長は「漁民への影響と安全確保について米側に確認したい」と話した。