沖尚、男女制す 県高校新人柔道


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 柔道の第38回県新人体重別高校大会・第28回県新人体重別高校女子大会は21日、沖縄市武道館で男女の個人戦と団体戦を行い、団体は男女とも沖縄尚学が頂点に立った。女子は16年連続、男子は4年連続の優勝。沖尚勢は個人戦も、男女とも全ての階級を制した。

◆男子沖尚/狙い通りの完勝劇展開
 「初戦から決勝まで5―0でいこう」。男子の沖尚は、ミーティングで誓い合った通り、初戦から1ポイントも落とさない完勝劇で頂点に駆け上がった。県総体の前哨戦と位置づけて臨んだ大会で、層の厚さを見せつけた。
 決勝の注目は、ともに3月の全国高校選手権に個人出場した沖尚の山城太志と、那覇西の座波吉平が対した中堅戦。高校入学後の直接対決は1勝1敗2分けと互角だが、この日はチームが2―0と先行していた山城が落ち着いていた。組んだ状態から、座波が技をかけ損ねて手を付く。「腹が浮いている」。山城は相手の隙を逃さず前に回り込み、けさ固めで封じた。技をかけるときは相手を崩しながら素早くタイミングよく―。
日々の練習で培った切れを発揮した。
 全国高校選手権の団体戦は、3回戦で名門・国士舘に敗れた。相手の名前に気おされ、実力を出せなかった選手たち。その後、県外の強豪と練習や試合を重ねることで「『同じ高校生なんだ、やればできるんだ』という意識に変わった」と新垣琢也監督は言う。
 今年は山城、比嘉健斗、鶴田峻大の3本柱を軸に「穴のないチームに仕上がった」と指揮官。激しいレギュラー争いも底上げにつながっている。主将の山城は「九州で優勝、全国でベスト4を目指したい」と躍進を期した。(大城周子)

◆女子沖尚/全国8強の実力で圧倒
 女子団体は、全国高校選手権8強の沖尚が他を圧倒した。真喜志康孝監督も「全国で経験を踏み、一人一人の意識が高くなった。今日は練習の成果を出せていたのでは」と合格点を与えた。
 豊見城との決勝は、まず先鋒(せんぽう)の山内月(るな)が大外刈りで一本。3分4秒での決まり手に本人は「思い切りのいい柔道ができなかった」と不満げだったが、勝利への流れはつくった。不戦勝を挟み、大将の島袋玲海は鮮やかな内股で一本勝ちを決めた。
 団体戦のメンバーで3年生は主将の山内だけで、ほか2人は2年生。体格は大きくないが、積極的な「攻撃柔道」が持ち味だ。山内は「夢は大きく、インターハイ優勝」と青写真を描く。

団体男子決勝 払い腰で一本を決める沖尚の比嘉健斗=21日、沖縄市武道館(山城博明撮影)
団体女子決勝 先鋒戦で果敢に攻め立てる沖尚の山内月(右)