米兵、民間地に着地 オスプレイ降下訓練中


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オスプレイ(右下)によるパラシュート訓練で、上空から降下する米兵ら=1日午前10時すぎ、伊江村(同村役場提供)

 【伊江】米軍伊江島補助飛行場で1日午前10時10分、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイからのパラシュート降下訓練があり、兵士1人が米軍提供区域外の民間地に降り立つのが確認された。この兵士が着地したのは牧草地で、周辺住民や農作物への被害は確認されていないが、着地した20メートル先には、畑で農作業をする住民もいた。

パラシュート訓練の実施について米軍や沖縄防衛局から伊江村への事前通知はなかった。伊江村がオスプレイによるパラシュート降下訓練を確認したのはオスプレイの沖縄配備後初めて。
 訓練をしたのは、米陸軍トリイステーションに所属する兵士6人。オスプレイから降下した6人のうち1人が強風にあおられ、フェンスから約80メートル離れた牧草地に着地した。住民や沖縄防衛局によると、当時降りた場所に人はおらず、被害はない。
 兵士が民間地に降りたことについて伊江村は午前11時10分、防衛局に通報した。防衛局は同11時35分に米軍に照会、午後2時20分に米軍に原因究明と再発防止を申し入れ、同2時25分に県基地対策課に連絡した。
 島袋秀幸伊江村長は「これまで悪天候のときは訓練を中止するよう求めてきたが守ってもらえていない。周辺に農作業をしていた人もいた。一歩間違えればという感もある」と述べ、2日にも防衛局に原因究明と再発防止を求める考えだ。
 高良倉吉副知事は「米軍には厳重に安全管理をして十分に配慮する姿勢が求められる」と話した。県は同日、防衛局に「周辺住民に不安を与える」とし、再発防止を求めた。

英文へ→U.S. soldier lands on private property during Osprey training