一括交付金、特別枠は採点方式


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特別枠の採択事業決定に向けられた流れ

 国の沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)で本年度から創設された市町村分303億円の1割に相当する特別枠(30億円)の配分方法に、県と市町村による採点審査が導入される。

複数の市町村にまたがる広域事業などについて、必要性や有効性を公平に審査し、より効果的な交付金事業の推進を図るのが目的。県は今月中旬を期限に市町村から事業を募り、月末までに事業の決定を目指す。
 一括交付金については、初年度となった2012年度の市町村分で事業執行が遅れたことから、全体の1266事業のうち7割となる約900事業に執行がとどまり、370事業が13年度に繰り越された。県と市町村は、早期の事業計画策定や執行強化に取り組む方針を確認している。
 均等割や人口、面積や財政力などの指標により各市町村に配分される基本枠(273億円)に対して、特別枠は市町村が申請する形を取るため、配分には公平性の確保を求める指摘がなされていた。
 特別枠の対象は(1)効果が広域的に波及する事業(2)他市町村でも実施可能なモデル性の高い事業(3)基本配分枠で対応が困難だが、優先して対策を講じる必要がある事業―の3区分。
 審査は県と41市町村が申請事業を採点し、合計点の高い順にリスト化した後、8人の首長と県企画部長で組織する審査委員会が予算の範囲内で選定する。
 4月23日に開かれた、県と41市町村による沖縄振興拡大会議では、特別枠について久米島町の平良朝幸町長が「離島は広域連携が難しい」と懸念を示した。これに県の謝花喜一郎企画部長は「広域連携はやりづらいが、優先的事業で申請が可能」と述べ、単独での申請を提案した。
 儀武剛金武町長は「北部や中南部など地域ごとに申請できないか」と要望。謝花部長は「圏域での事業も想定している」と、広域事業の検討も促している。