北山、逆転サヨナラ 県高校野球チャレンジマッチ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖尚―北山 9回裏二死二塁、北山の宮城竜平が右方向にサヨナラの適時打を放つ=6日、北谷公園野球場(桑原晶子撮影)

 夏の高校野球選手権県予選の第1シード権を争う第13回チャレンジマッチが6日、北谷公園野球場で行われ、春季県大会の覇者・北山が選抜大会出場の沖縄尚学を5―4で破った。

沖尚は一回に名嘉昇司や柴引佑真の安打などで3点を先制した。北山は三回にマックスウェル・ジェリーの安打や小浜百顕の犠飛で2点を返し、九回に安座間海、仲里正作、神谷塁、宮城竜平が安打でつなぎ、逆転サヨナラ勝ちした。

◆九州で成長 視線は甲子園/北山爆発 15安打
 九州の大舞台が北山ナインを成長させた。打線がつながらず4強入りを逃した春季九州大会から一転、沖尚の好投手・比嘉健一朗を終盤で攻略し、宮城竜平のサヨナラ打で勝負を決めた。「一球に集中する九州のチームを見て、全ての選手が打撃に対する意識を変えた」と仲里正作主将。15安打と力を発揮し、夏の大会に勢いをつけた。
 最後は気迫の一打だった。九回裏2死二塁、打席の宮城は「勝つことだけを考えた」。外角高めの直球を捉えると、打球が右方向に抜けた。「九州では1本しかヒットを打てなかったので、沖縄に戻って夜間練習で打力をつけた」。九州大会の経験と練習の成果を大事な局面で発揮した。
 投げてはマックスウェル・ジェリー、安座間海、神谷塁がつなぎ、五回以降は沖尚打線を無安打に抑えた。エース・平良拳太郎に次ぐ2番手の育成を夏までの課題に掲げる神谷善隆監督は、「九州でもチャレンジマッチでも堂々と投げていた」と投手陣の成長を実感。「あとは経験を積むだけだ」とさらなる成長を期待した。先発のマックスウェルは「夏までに平良さんをサポートできる投手になりたい」と決意する。
 チームとして見据えるのは夏の頂点、そして甲子園だ。「今日の勝利を自信に変えて、一戦一戦を全力で戦う」。仲里主将は闘志を燃やした。
(平安太一)