若者の投票促そう 参院選へ20代始動


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「未来を変えろ」をキャッチフレーズに若者の投票率向上に向けて話し合う社会人ら=6日、宜野湾市

 「票を動かし、未来を変えろ」。若者の投票率向上を目指し、20代の社会人が「NEXT ONE VOTE」(ネクスト・ワン・ボート)を結成し、夏の参議院議員選挙に向けて動きだした。

選挙に行くことは「楽しい」「かっこいい」「当たり前」という感覚を広げて投票行動を促そうと、20代を主な対象にインターネットでの情報発信や討論会、投票すると特典を得られる仕組みづくりに取り組む。
 発起人の喜瀬智哉さん(26)=糸満市、飲食店経営=は「若者の投票率100%を目指し、自分たちも楽しく学びながら、社会貢献したい」と意気込んでいる。
 ネクスト―は今月、県内各政党へのアンケート取材、議員を招いた政治・政策の勉強会を行う。作成中のアンケートは、若者を中心に全国的な署名活動が展開されている風営法の問題や政治家を志したきっかけなど、若者目線の質問を盛り込む予定だ。6月からは、参院選立候補者の討論会や、投票すると飲食店などで特典が受けられる仕組みづくりなどをする。
 「(以前は)自分も選挙に興味がなかった」と言う喜瀬さんは、友人に誘われ、2月の浦添市長選を前に開かれた公開討論会に参加。その場で登壇者たちの政策や思い、それを伝える力の差を実感した。「リーダーはちゃんと選ばないといけない。(例えば)部活だったら、キャプテンが誰でもいいわけはない」と感じたという。
 その後、米大統領選で若者に投票を促すキャンペーンを展開したNPO団体「Rock the Vote」(ロック・ザ・ボート)のアマンダ・ブラウンさんの講演で活動手法を学び、沖縄での実施を決めた。米国の事例に倣い、来年以降はアーティストやアニメ、漫画とのコラボレーションなど「若い人が見て楽しい演出」(喜瀬さん)で投票を呼び掛ける計画だ。
 6日、宜野湾市内で開かれた会議には、IT企業社員や介護士、アーティスト、写真家ら20代の社会人17人が集まり、今後の活動を話し合った。
 前川大善さん(26)=建設業関係=は「若い人は政治を難しく感じている。僕たちが情報提供して分かりやすく伝えていければいい」と強調した。
 今後の活動は、インターネットの交流サイト「Facebook」で「NEXT ONE VOTE」を検索すると参照できる。(東江亜季子)