キングス“有明”スルリ PO準決勝第2戦・決定戦


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 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(レギュラーシーズン西地区1位)は12日、宜野湾市立体育館で京都ハンナリーズ(同5位)とプレーオフ準決勝の第2戦を行い、90―60で勝利した。

しかしファイナルズ進出決定戦に14―19で敗れ、準決勝敗退が決まった。キングスは第1クオーター(Q)から勢いに乗り、小菅直人の3点シュートなどで加点した。第2Qではシュートが決まらず我慢の時間もあったが、テレンス・ウッドベリーらが力を発揮、40―26で前半を折り返した。後半もキングスは勢いを落とさず、激しいディフェンスで京都を圧倒。終盤は金城茂之の3点シュートなどで京都を引き離して大勝した。決定戦は前半で9―3とリードした。しかし後半はシュート精度が落ち、京都の激しい守りに対応できず14―19と逆転を許した。

▽西カンファレンス準決勝
(2)宜野湾(1勝1敗)
琉球ゴール 90 23―11 60 京都ハン
デンキングス   17―15    ナリーズ
(リーグ1位)  24―10    (リーグ5位)
         26―24

▽同決勝進出決定戦
京都ハンナリーズ
19―14(3―9,16―5)
琉球ゴールデンキングス
(京都は西カンファレンス決勝進出)

 【評】持ち味の堅守で京都を圧倒したキングスだったが、最終盤に京都の勢いに飲まれた。準決勝第2戦では高い位置からプレッシャーを与え、京都が得意とするチームオフェンスを封じた。攻めてはマクヘンリーやラーカイのインサイド、小菅のアウトサイドと効率よく得点した。ニュートンもゴール下でしぶとくリバウンドを拾い、攻撃にリズムをつけた。しかし決定戦の後半になると運動量が落ち始め、ターンオーバーから京都の猛追を許した。(平安太一)

◆この悔しさを忘れずに
 遠山向人HC(キングス)の話 チームを優勝させることができず申し訳ない。選手はシーズンを通して素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。優勝はできなかったが、選手もスタッフも胸を張ってほしい。そしてチームを支えてくれた日本一のブースターにありがとうと伝えたい。この悔しさを忘れずに、来シーズンはステップアップして勝ち上がる。

◆選手が我慢してくれた
 浜口炎HC(京都)の話 タフなゲームだったが選手が我慢してくれた。最終決定戦は延長戦のつもりで臨んだ。今シーズンは選手の力でここまで来られた。ファイナルズでもいつも通りの準備をして、チームの力で一つずつ戦いたい。

◆一時リードも力尽く/決定戦
 キングスの2012―13シーズンが幕を閉じた。レギュラーシーズンではリーグ最高勝利数を記録し、圧倒的な強さを誇った。プレーオフ準決勝の第2戦でも90―60と京都を圧倒。優勝決定戦でも勢いを維持したが、最後の最後に力尽きた。それでも選手らの奮闘に3468人の観客は惜しみない拍手を送り、来シーズンに王座に返り咲くことを願った。
 思わぬ大敗を喫した第1戦から一転、第2戦では立ち上がりからキングスに勢いがあった。第1Qは小菅直人の3点シュートを皮切りに、アンソニー・マクヘンリーや並里成が次々と得点を奪った。第2Qではシュートが決まらずに苦しむ場面もあったが、テレンス・ウッドベリーが内外から積極的に攻め込み、京都を引き離した。3Q以降も各選手が粘り強く得点し、力の差を見せつけた。
 迎えた決定戦。前半は完全にキングスペースだった。立ち上がりに並里やマクヘンリーが得点し、一時は9―0と優位に立った。
 しかし後半に入ると激しくプレッシャーを与える京都ディフェンスの前にミスが増え始め、あと一歩のところで勝利に手が届かなかった。「焦りはなかったが、小さな間違いが積み重なった」。マクヘンリーは肩を落とす。それでも「ファンの素晴らしい応援にありがとうと言いたい。チームにできることを見直して、(次のシーズンは)全力で優勝を取りに行く」と決意を新たにした。
(平安太一)

◆3点弾7本でチームに勢い/小菅「悔しい」
 小菅直人の3点弾が好調だった。トータル7本を決め、奪った得点はチーム最多の22。「昨日負けたので、今日は何が何でも(勝とう)という強い思いがあった」。試合後、好調の理由を語った。
 第1Qから積極的にシュートを打ち続けた。「昨日は慎重になりすぎたが、今日は勢いを持ってプレーできた」と振り返る。しかし決定戦の後半で逆転され、「守りに入ってしまったし、守備では大事な場面で力が出せなかった」と悔やむ。
 プレーオフで敗れ、「悔しい」と言葉少なげ。シーズンを終え、「気持ちを整理して、しっかり切り替えて次のシーズンにつなげたい」と話した。

◆「ファンの支え感謝」/主将与那嶺、声詰まらせ
 「期待に応えられず申し訳ない」。総立ちで健闘をたたえるファンを前に、キャプテンの与那嶺翼は声を詰まらせた。チーム一丸となって戦い、つかみかけたファイナルズへの切符。熱い声援を送り続けたファンに与那嶺は力強く語りかけた。「沖縄のファンは間違いなくナンバーワンです」
 チームのリーダーとして困難な状況でも選手を支えた。プレーオフ準決勝第1戦の敗戦について「もっとみんなを盛り上げれば良かった」と責任を感じている。第2戦では「今までやってきたことをコートで表現しよう」と切り替え、自身も積極的なプレーを見せた。
 準決勝敗退という悔しい結果でシーズンを終えたが、「選手みんなを誇りに思う。支えてくれたファンにも感謝の気持ちでいっぱいだ」と力を込めた。

キングス―京都 プレーオフ準決勝の第3クオーターで、京都の守備を振り切ってリング下に切り込むアンソニー・マクヘンリー=12日、宜野湾市立体育館(金良孝矢撮影)
第1クオーター、3点シュートを決めてチームに勢いをつける小菅直人
試合を終え、ファンの声援に包まれながら会場を後にするキングスの選手ら