台湾漁船を拿捕 合意水域外協定発効後初


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 日台漁業協定で定めている合意水域から大きく外れた先島諸島南側水域で違法に操業したとして、水産庁は14日、台湾はえ縄漁船「正昌發(チォンチャンファ)2號(ハオ))」(約48トン)を拿捕(だほ)し、船長の(51)を漁業主権法違反(無許可操業)の疑いで逮捕した。

沖縄総合事務局によると、船長は容疑を認めているという。10日の同協定発効後、台湾漁船の拿捕は初めて。協定発効から間もない違法操業に、県内の漁業関係者は反発している。
 一方、水産庁は台湾側から担保金を支払うことを約束した保証書が提出されたことを受け、船長を14日午後、釈放し、漁船を返還した。逮捕容疑は13日夜から14日未明にかけて、波照間島の東約121キロの日本の排他的経済水域で、無許可で操業した疑い。現場海域は、日台漁業協定で取り決めた合意水域から南に約150キロ離れた場所。
 総合事務局によると、13日午前、石垣市役所を通じて八重山漁協から、現場海域付近で台湾漁船が操業しているとの連絡があり、警戒を続けていた水産庁所属の漁業取締船「東光丸」(2071トン)が、13日午後11時50分ごろ、違法操業中の台湾漁船を発見した。漁船は取締船の停船要求を無視し、約40分ほど逃走したという。その後、停船した漁船を東光丸の漁業監督官が立ち入り検査したところ、水揚げしたカジキなどを発見した。
 総合事務局と水産庁は日台漁業協定発効後、10隻体制で台湾漁船への指導や取り締まりを強化していた。