自尊感情高めて 高山さん、発達障がいで講演


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 講演会「よりよい親子関係のために~今、親にできること~」(共催・アソシア、海邦福祉会)が11日、嘉手納町中央公民館で開かれた。注意欠陥多動性障がい(ADHD)の人たちを支援するNPO法人「えじそんくらぶ」代表の高山恵子さんが登壇。

子どもは失敗を繰り返すことが当たり前だと認識して人格を否定せず、自尊感情を高めて子どもに信頼される関係づくりが必要だと訴えた。
 講演会には、子ども連れの親や福祉関係者など約150人が集まった。
 自身もADHDを持つ高山さんは、発達障がいはアンバランスな得手、不得手の発達が生じる生物学的な特性を持っており、普通の行動や集団行動が難しいことを自分の体験を織り交ぜながら紹介。「失敗しない子どもを育てるのは無理」と話し、親には子どもの失敗を受け入れる心の余裕が必要だと指摘。その上で「失敗は成功のもとだよ」と励ますことで、「失敗してもまた頑張る子どもに育つ」と説いた。
 子どもをしつけるこつについて、「子どもは快を与えてくれる行動を繰り返す。褒められたらうれしい。だからその行動を繰り返す」と指摘。そのためにも「できて当たり前」の考えは捨て、「親の価値基準を変えて、半分できたことを褒める」ことを勧めた。
 挫折に強い子どもになるためには「自尊感情」を育むことが必要だと説明。親が褒めること、「ありがとう」と感謝すること、「初めてやることはどんなサポートを与えても成功体験にする」ことが必要だと話した。

注意欠陥多動性障がいなどついて講演する高山恵子さん
高山さんの話に聞き入る来場者=11日、嘉手納町中央公民館