臓器提供意思表示を 「免許証裏に」呼び掛けでステッカー


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 5月17日は、日本ドナー家族クラブが制定した生命(いのち)・きずなの日-。フジレンタカー(本社・那覇市)は、運転免許証で臓器提供意思表示を呼び掛ける「グリーンリボンドライバーステッカー」をレンタカー600台に貼り、運転者や歩行者への啓発活動に取り組んでいる。仲村富吉社長が14日、レンタカーにステッカーを貼り付けた。

 2010年秋から形式が新しくなった運転免許証の裏には、死後に臓器提供をするかどうか、どの臓器を提供するか意思表示できる。日本臓器移植ネットワークが昨年行った調査によると、臓器提供の意思表示している人は全国で11・1%となっている。
 ステッカーの名前にもなっているグリーンリボンドライバーとは、運転免許証で臓器提供意思を示したドライバーを指す。イメージカラーの緑には、「成長と新しい命」という意味が込められている。
 仲村社長が県腎臓バンクの伊野波盛一主幹とジョギング仲間で親しく、話を持ちかけられたことが、取り組みのきっかけ。健康や体について関心が高く、レンタカー業界を通して社会貢献をしていこうという思いがあった。「自分の健康は自分で守るというのが基本的な考え方だが、それでも手助けが必要な人がいる。その人たちの力になりたい」と仲村社長。
 県内で人工透析を受けている患者は約4200人いるとされ、そのうち腎臓移植を希望するために日本臓器移植ネットワークに登録している人は約260人。沖縄県の臓器移植件数は人口当たりで全国7位と上位だが、実際に腎臓移植を受けることができたのは、昨年度は6人。移植を受けられるまで、平均して約15年間は待機している現状だ。
 伊野波さんは「本人の死後、意思表示が無いために家族が判断に迷う場合もある。臓器移植は、見返りを求めないドナーの善意で成り立っている」と、臓器提供の意思を示す重要性を語った。
 問い合わせは県保健医療福祉事業団・県腎臓バンク(電話)098(879)6311まで。(長濱良起)

ステッカーを貼り付けるフジレンタカーの仲村富吉社長(右)と、玉榮春夫部長=14日、那覇市奥武山町のフジレンタカー本社
レンタカーに貼られたグリーンリボンドライバーステッカー