チョウチンミドロ 宮古島で初確認 研究者「地史考える上で重要」


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 【宮古島】NPO法人海の自然史研究所の藤田喜久代表理事と、県水産海洋技術センター石垣支所の岸本和雄研究員らの研究チームは17日、宮古島東部の湧泉など4カ所で、淡水性の藻類「チョウチンミドロ」を発見したと発表した。

環境省と県のレッドリストが絶滅危惧II類に指定している希少種。藤田さんらは「貴重な藻類の生息地が増えた。宮古の地史を考える上でも重要な意味を持つ」と意義を強調した。
 チョウチンミドロは水質がきれいな環境で育つ藻。国内では沖縄本島と与那国島でのみ生育が確認されていた。国外では欧州や北アフリカ、インド、ミャンマー、中国南部、北米に分布しているという。今回発見された場所は湧泉と、そこを水源とする水路の計4カ所。底の泥の上にカーペット状に生えていた。
 かつて島全域が海中に沈んでいたとされる宮古島で淡水性の藻が発見されたことについて、藤田さんと岸本さんは「どのように分布を広げたのか、興味深い」と指摘。「島の成り立ちと、そこにすむ生物がどこから来たかを考える上で重要な発見だ」と説明した。
 宮古島で発見されたチョウチンミドロの詳細は、25日に琉球大で開かれる「沖縄生物学会第50回記念大会」で発表される。

宮古島で発見されたチョウチンミドロ(藤田さん、岸本さん提供)
湧泉に生息するチョウチンミドロ=宮古島市内(藤田さん、岸本さん提供)