「障がいは個性」世界に希望届ける ニック・ブイチチさん


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利用者らと触れ合うニック・ブイチチさん(左)=16日、豊見城市高嶺の桜山荘「共に生きる町」たかみねデイホームさくらんぼ3号館

 【豊見城】生まれつき両手足がない障がいがありながら、世界中で講演活動を行っているニック・ブイチチさん(30)が16日、豊見城市高嶺の複合施設・桜山荘「共に生きる町」たかみねを訪問し、デイサービス利用者や入所者約80人と交流した。

 オーストラリア生まれのブイチチさんは「テトラ・アメリア症候群」で生まれつき両手足がない。障がいを克服し大学を卒業、希望と勇気を与える「モチベーショナル・スピーカー」として世界各国で講演活動を行っている。
 15日に宜野湾市で開催された「ゴスペルナイト沖縄」のため来沖。同じ障がいのある県民と触れ合いたいというブイチチさんの申し出を受け、交流が実現した。
 利用者らから指笛や拍手で出迎えを受けたブイチチさん。妻が日本人のハーフで、義理の父親が沖縄と縁があることも紹介した。「人生の中で諦めないことが大切。感謝する心を持って」と呼び掛けた。
 利用者と一緒に歌を歌うなど触れ合い、施設を運営する社会福祉法人まつみ福祉会に約15万円を寄付した。
 デイホームさくらんぼ3号館の生野俊哉所長は「突然の訪問だったが、利用者は勇気付けられたと思う」と話した。利用者の平良万里之さん(27)は「テレビで見たことがあったので会えたのは信じられない。大事な話をしてくれた」と笑顔を見せた。