芯の強さと懐の深さ MONGOL800


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初のホール公演でハッピーな演奏を繰り広げるMONGOL800=18日、沖縄市民会館大ホール

 MONGOL800の初めてのホール公演全国ツアーが18日、沖縄市民会館で始まった。紗幕を使った演出などライブハウスでは見られないパフォーマンスとともに、初アルバムの1曲目に収録した「DON’T WORRY BE HAPPY」から新曲「Love song」まで、結成から15年間で発表してきたヒット曲の数々を演奏。

ルーツの沖縄に根差し、等身大であることに一切ぶれなかった15年間を体現するライブを繰り広げ、ファンとハッピーな時間を共有した。
 幕開けは〈神様お願いがあるのです〉のフレーズが印象的な「神様」。紗幕に映像が投影され、背後で3人が演奏する。それぞれの〈神様〉を追い求めて世界で繰り返される争いへの憂いと皮肉、悲しみの連鎖を断つことへの願いの入り交じった曲想を描く。
 沖縄という原点の地で、この曲を起点にホールツアーという新たな境地に踏み出す示唆深い演出。続いて紗幕が上がり、疾走感あふれる演奏に乗って「GOOD MORNING OKINAWA」。“沖縄の夜明け”への願いを込め〈新しい風が吹く/時代は変わる〉と力強く歌う。
 上江洌清作(ボーカル)が「ウチナーの心。なあなあはいけませんよ」と投げ掛けて、歌詞に痛烈な風刺を効かせる「Bougainbilly」や「明日から印象派」などになだれ込む。
 3人の輝くような声の調和で始まる「Rise&Shine」、儀間崇(ギター)の渋い声で歌う「カマドー小」「Fatty Silver」など新曲に加え、「小さな恋のうた」「あなたに」などでファンと声を響き合わせた。
 MCで儀間が「ライブハウスでやってきたけど、おれたちの身の丈に合ってるのかな」と問い掛けると、来場者の拍手に包まれる。高里悟(ドラムス)がホール公演独特の演出に「最初に幕があってコーラスできるか分からなくなるぐらい、うるうるした。楽しみながら全国を回りたい」と宣言した。
 15年間、変わらずにあり続ける背景にモンパチの芯の強さと懐の深さがあることを、強く印象づける演奏でファンを終始酔わせた。(宮城隆尋)
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 モンパチ主催の野外音楽フェス「What a Wonderful World!!13」が10月5、6両日に読谷村のヨミタンリゾート沖縄特設会場である。問い合わせはPMエージェンシー(電話)098(898)1331。