芸歴67年 情熱さらに 玉城節子家元 生年祝い舞台


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創作「花籠」を舞う玉城節子家元=6日、浦添市の国立劇場おきなわ

 玉城流翔節会の玉城節子家元の第22回リサイタル「踊(うどい)―若夏ぬ御祝座(ぐすうじ)」が6日、浦添市の国立劇場おきなわで催された。玉城家元の生年祝いを記念し、門下生らが企画した。

琉球王府時代の御冠船踊の復元を試みた創作「花籠(はなかご)」などを披露。5歳の入門から67年を経て、なお尽きることのない踊りへの情熱を見せた。
 「花籠」は、資料に曲名と歌詞だけが残され、踊りは継承されていなかったが、新たに振り付けた。水面を流れる花びらをすくうような所作が印象的で、爽やかさと古典のような風格を兼ね備えていた。
 2006年の芸道60周年記念公演で披露した創作「百玉舞(むむたまめー)」(上原直彦作詞、知名定男作曲)も、アレンジを加えて再演。自身の舞踊人生を描いた。
 踊る喜びにあふれた舞台だったが、玉城は「(琉舞という)文化遺産を次世代へ引き継ぐ責務が重く肩にのしかかっている」とも話す。百玉舞の再演には「苦しみを乗り越え、孫やひ孫と踊り三昧の日々が送れることを夢見て」との思いがあるという。
 9演目中6演目を踊る気力・体力と意欲的な創作は、目に見えない努力に裏打ちされている。「100歳まで踊りたい」という抱負も夢では終わらせないような期待を抱かせた。(伊佐尚記)