しまくとぅば次代に 那覇市文化協会有志ら


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「しまくとぅば連絡協議会」の設立に向けて議論する準備会のメンバー=21日、県立糸満青少年の家

 那覇市文化協会うちなーぐち部会などの有志が、しまくとぅば継承の活動に取り組む民間団体や個人に広く呼び掛け、「しまくとぅば連絡協議会」の設立に向けて準備を進めている。

これまで各自で活動していたが、ネットワークをつくり情報や教育手法の共有を図ることで、取り組みを強化する。また、しまくとぅばを学校の教育課程に導入するよう国や県に要請していく。
 しまくとぅば教育に取り組む那覇市文化協会うちなーぐち部会やNPO法人アジアクラブなど6団体がことし3月、連絡協準備会を発足させた。8月の設立を目指し、今後本格的に各団体に参加を呼び掛けていく。伝統芸能関係や趣旨に賛同する企業など20~30団体の参加を目指している。
 設立後はニュースレターの発行や講師派遣などを行う「ネットワーク推進部会」、イベントを開催する「教育(普及)実践部会」、「教材開発部会」、「調査研究部会」を設け、活動を展開する計画だ。
 21日には県立糸満青少年の家で準備会が開かれ、趣意書案などを議論した。同案では、しまくとぅばが日本語の方言の中に押し込められ、継承が阻まれてきた歴史を指摘。「私たちはしまくとぅばを使用し、学ぶ権利がある」と訴え、「地域の多様性を大切にしながら、ネットワークを構築することにより、継承・復興の可能性を広げ実現に努める」としている。
 那覇市文化協会うちなーぐち部会長の宮良信詳琉球大名誉教授は「しまくとぅばには祖先が残した知恵が詰まっているが、危機的な状況にある。次の世代にバトンタッチするのは大人の責任だ」と強調した。一方、県も「しまくとぅば普及推進計画」を策定中。同部会の名嘉山秀信事務局長は「行政と車の両輪として機能したい」と話した。(伊佐尚記)