識名トンネル 契約方針、変更は08年 随契で「虚偽」誘導


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
識名トンネル百条委 証言の相違点

 県議会の識名トンネル虚偽契約問題に関する調査特別委員会(奥平一夫委員長、百条委員会)は24日、2006年度に県南部土木事務所長を務めていた宮城勇氏と07年度の同所長、伊波興静氏に対する証人尋問を行った。同トンネルの追加工事に際し県は、07年度までは最初の契約と別の随意契約を交わす方針は持っていなかったが、08年度に一転して業者側と任意の随意契約を締結。これが虚偽契約につながったことがあらためて鮮明になった。

 調査委は計9人への証人尋問を終了。6月定例会で調査結果を最終報告する。
 同問題では追加工事に伴う契約変更に際し、08年度に別件の随意契約を交わすことで当初の低い請負率(落札率)を事実上見直し、議会の議決を経ずに契約額を上方修正させたことが明らかになっている。契約変更に関し伊波氏は「(当初の低いままの)請負率に基づいて議会に諮ろうということだった」と述べた。
 工事をめぐっては、工法を変更した経緯についても依然不明確な部分が多い。県がトンネル施工技術について助言を求めるため、06年12月に社団法人の日本建設機械化協会(当時)と「特命随意契約」を交わしたことについて宮城氏は「(当初工法の)『中央導坑方式』への技術支援を受けるためだった」と証言し、工法の変更は前提としていなかったと説明した。
 だが4月の証人尋問で機械化協会の担当者だった安井成豊氏は「(新工法の)無導坑方式で施工できる可能性について最初に話している」と証言しており、話が食い違っている。