差別越え「これが僕の魅力」 タッチ先生、いじめ根絶訴え


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児童と触れ合う藤井輝明さん(右)=13日、今帰仁村の天底小学校

 【今帰仁】天底小学校(座間味靖校長)は13日、同校体育館で、医学博士の藤井輝明さんによる講演会「この顔は僕の魅力だよ タッチ先生からのメッセージ」を開いた。右目の周囲に腫瘍がある藤井さんは差別を受けてきたことを語り、児童と触れ合いながら偏見や差別をなくしていじめを根絶するよう訴えた。

 現在は東京大学大学院医学系研究科客員研究員として活躍する藤井さんは、1957年に東京で生まれ、2歳の時に海綿状血管腫という病気を発病。右目の周囲に腫瘍ができ、幼少期から心ない暴言を受けた。
 藤井さんはこれまで「容貌障がい」への偏見をなくそうと各地で講演を実施。差別を受けてきた経緯を伝え、正しい知識を得てもらおうと自らの腫瘍に触れてもらい、独自の人権教育を展開している。
 「いじめは、いじめる人が百パーセント悪い」と語る藤井さんは、いじめがなくならない理由として「見て見ぬふりする人が多い。友達が悲しそうな顔や悩んでいる様子であれば声を掛けて。全員が声を掛ける人になってほしい。またいじめる人は自分に自信がない人。いじめる人が本当は弱い人だ」と述べた。
 講演後、藤井さんの顔に触れた児童は「見てると硬そうだが実際は軟らかい」などと語り、交流を深めた。
 児童代表で6年の仲村周真君は「自分の努力で道を切り開き、すごく努力したことが伝わった。友達が元気がないようであれば声掛けすることから始めたい」と話した。
(新城孝博通信員)