繁栄願い神酒交わす 多良間「スツウプナカ」始まる


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
豊年を願い「ヒーヤ、ヤッカヤッカ」と声を上げながら神酒を回し飲む住民ら=26日夜、多良間村塩川

 【多良間】豊年への感謝と地域の繁栄を願う多良間村の伝統行事「スツウプナカ(節祭)」が26日、2日間の日程で始まった。同日深夜から27日未明にかけて各祭場では神酒(ミス)を酌み交わす「暁願い」が行われた。

長老たちが神歌(ニィリ)を読み上げたほか、「ヒーヤ、ヤッカヤッカ」という男たちの力強いはやしが夜風に乗り響いた。
 神歌を読んだ多良間武さん(71)は「いろいろな恵みを与えてくれる自然に感謝する尊い行事だ。幼い時から見ており、大切に受け継いでいきたい」と語った。27日は神事をつかさどる神女(ツカサ)や来賓らが、4カ所の祭場を順々に訪れる。
 スツウプナカは、国指定重要無形民俗文化財「八月踊り」とともに多良間村の二大行事の一つ。仲筋と塩川のナガシガー(長瀬川)、フダヤー(札屋)、パイジュニ(南宗根)、アレーキ(新池)の4祭場で行われる。