花城(羽地)男子砲丸制す 陸上県中学選手権最終日


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男子2・3年砲丸投げ 13メートル10の大会新記録で優勝した花城正太郎=26日、県総合運動公園陸上競技場(渡慶次哲三撮影)

 陸上の第35回県中学校選手権最終日は26日、県総合運動公園陸上競技場であり、三つの大会新記録が生まれた。

男子2・3年砲丸投げで、花城正太郎(羽地3年)が7年ぶりに大会記録を68センチ更新する13メートル10で優勝。女子2・3年100メートル障害は、大城有利加(豊見城3年)が15秒04で、昨年自身がマークした大会記録を0秒27塗り替えて制し、同400メートルリレーは伊良波(津波愛樹、新城瑠菜、赤嶺桃華、小橋川梨奈)が52秒28の大会新記録で頂点に立った。

◆可能性十分な新星/花城
 躍動する沖縄の投てき界にまた一人、楽しみな存在が現れた。男子2・3年砲丸投げを大会新記録で制した花城正太郎は、同種目を本格的に始めてわずか1カ月半。公式戦3戦目で自身初の13メートル台をたたきだし、「うれしいけど目標は14メートルだった」と言ってのけた。
 身長170センチ、体重87キロの恵まれた体格に、リレー選手として地区大会に出場したこともあるスピードが備わる。新記録を出した5投目。「自分でもびっくりするぐらい上へ押し出せ」。比嘉共樹監督の助言通り勢いよく突き出した砲丸は、大きな弧を描いた。
 1年時は野球部で外野手をしていたが、2年に上がるころ退部。しばらくして周囲に勧められるまま、軽い気持ちで砲丸に取り組み始めた。当初は投げ方も分からず、8~9メートル飛ばすのがやっと。「面白くないからやめようか」と思ったこともあると打ち明ける。
 高校生が集う合同練習への参加が転機になった。先輩選手や指導者から、重心の乗せ方や目線の方向など細かな助言を受けた。その時の動画を見るなどして反復練習すると、面白いように記録が伸び始めた。
 競技への自信は生活態度にも影響。体育委員長を務めるなど積極性が増したといい、比嘉監督は「百八十度変わりましたよ」と笑う。「砲丸投げは相当面白い。できる限り続けたい」と目を輝かせる3年生には、未知の可能性が詰まっている。(大城周子)