女踊りで新たな魅力 玉城盛義が熱演


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「柳」で自然をめでる心を表現する玉城盛義家元=17日、浦添市の国立劇場おきなわ

 玉城流三代目家元・玉城盛義(二代目)の2012年度文化庁芸術祭賞優秀賞受賞を記念した公演「玉城盛義の会 花玉城~遥か琉球の心、今ここに」が17日、浦添市の国立劇場おきなわで催された。

受賞対象となった同年11月の東京公演と同様、古典中心の演目。二才踊で見せる持ち前の力強さに加え、女踊でも新たな魅力を発揮した。
 組踊の荒事などに定評がある盛義だが、襲名以降、女踊にも向き合ってきた。今回の公演でも「柳」「諸屯」を披露。180センチの長身は際立つが、「男らしい」とは感じさせず、すらりと美しい印象だった。「柳」では自然をめでる心を柔らかく表現した。二才踊「高平良万歳」では本領を発揮。力強さと切れ、しなやかさを兼ね備えた一級の踊りを見せた。
 玉扇会の会主や師範らも「かぎやで風」「玉扇の舞」で花を添えた。「加那ヨー天川」では、男役を盛義が、女役を数々の舞台を共にした東江裕吉が務め、息の合った芸で魅せた。
 公演名に掲げた「花玉城」は、初代盛義の舞踊哲学を表した言葉だ。花は踊りの自然体の美しさ、玉は肝心(ちむぐくる)、城は首里城に象徴される琉球の歴史であり、玉城家の歴史だという。
 盛義は「先代盛義、二代目家元の色を継承しつつ、三代目として私なりの盛義を形づくっていきたい」と話す。11年の三代目襲名、12年の芸術祭賞受賞と節目が続く中、どのような花を咲かせていくのか注目したい。(伊佐尚記)