米、移転完了時期示さず 小野寺防衛相、グアム視察


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【グアム29日問山栄恵】米領グアムを訪問中の小野寺五典防衛相は29日、在沖米海兵隊の移転先となっているグアム・アプラ地区の海軍基地と、アンダーセン空軍基地を視察した。小野寺氏は移転計画が遅れている一因となっている実弾射撃訓練場計画などについて、環境影響評価(アセスメント)の最終評価書が2015年前半にまとまり、立地場所が決まるとの米側の見通しを明らかにした。

 小野寺氏はアプラ地区で日本政府が資金提供している米海兵隊の揚陸艦などが使用する港湾改修工事を視察。米海軍省の統合グアム計画室の担当者から進捗(しんちょく)状況の説明を受けた。空軍基地ではヘリ駐機場などの関連施設の整備状況を確認した。視察後、小野寺氏は米議会による移転関連予算の凍結でインフラ整備が遅れていることを踏まえ、「今後事業を順調に進めていくために、米上院などに日本側の考えを伝えていく努力が必要だ」との認識を示した。
 移転の完了時期について米側から具体的な説明はなかったとした。日米両政府は当初、完了時期を14年としていたが、環境アセスの遅れや移転計画の見直しから12年の共同文書で「14年以降のできるだけ早い時期」に修正している。
 小野寺氏はエディ・バザ・カルボ州知事とも会談。「沖縄の負担軽減のためにグアム政府の力が必要だ。東アジアの安全保障には沖縄、グアム、ハワイが大切な場所だ」と強調した。
 空軍基地では北朝鮮のミサイル警戒のための最新鋭無人偵察機グローバルホークや、高性能の地上発射型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)も視察した。