9連登り窯 新名所に 大宜味村根路銘


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建設中の登り窯を背に夢を膨らませる「大宜味村陶器事業協同組合」のメンバー=22日、大宜味村根路銘

 【大宜味】「登り窯を大宜味の顔に」―。大宜味村内で活動する4人の陶芸家でつくる大宜味村陶器事業協同組合(国場一理事長)は、同村根路銘に登り窯の建設を始めた。

窯は九つの焼き口がある「九連窯」。窯や窯の近くに建設した工房の屋根には赤瓦をあしらい、陶器だけでなく、窯と工房を大宜味の新たな観光地として、村を盛り上げる。
 窯の建設は4月から始まり、来年1月には完成、最初の窯焼きは来春になる予定。
 窯と工房一帯は、大宜味村の計画「長寿と癒やしの森整備事業」の一環で整備する。大保ダム周辺に広がる村有地を農業体験や森林浴などができる場所として活用し、村の新たな観光地とする計画で、工房一帯はその先駆けだ。
 同組合は2011年に村から1万7600平方メートルの土地を借り上げ、ことし3月までに二つの工房が完成。今後は窯ともう一つの工房の建設を進める。
 窯は、同組合の国場一さん(60)、大海陽一さん(44)、玉城望さん(42)、菅原謙さん(41)の4人の陶芸家が共同で使用する。年に1度の陶器市や陶芸教室を予定している。
 国場さんは「大宜味の土で作った作品や窯で人を集めるのが目的だ。大宜味の活性化の一角を担いたい」と意気込む。
 窯を設計した赤嶺和雄さんは「登り窯に赤瓦の屋根という当初の設計通りに進んだのは、4人の協力があったからだ。素晴らしい窯になる」と期待を込めた。
 島袋義久村長は「芭蕉布に加え、大宜味の芸術の拠点になる。文化から産業につながることを期待したい」と話した。