「わくわくする」 キングス、伊佐HCが抱負


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県出身者で初めてのキングスのヘッドコーチとして来季からチームを率いる伊佐勉氏=30日、宜野湾市の球団フロントオフィス

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングスのヘッドコーチ(HC)に就任する伊佐勉氏(43)が30日、宜野湾市の球団フロントオフィスで会見を開き、「とてもわくわくしている。今まで以上に県民から応援されるチームづくりをしたい」と決意を述べた。

 伊佐氏はキングスがリーグに参戦した2007年からアシスタントコーチとしてチームを支えてきた。HC就任について「いつかはやりたいと思っていたので夢がかなった」と笑顔を見せ、「今までのキングスの良さを継承して、私が考えるバスケをミックスしたい」と展望を描いた。
 木村達郎球団代表は「チームとして積み上げたものやスタイル、さまざまな経験を熟知している伊佐HCが引き継ぐタイミングだった」と起用の理由を説明。「昨シーズンは好成績を残したが、チームが一丸になれていない面があり、この1年の成功が来年もあるとは思えない。(来シーズンは)今まで以上に結束力が強く一丸となって戦うチームが求められる」と強調した。
 伊佐氏は来シーズンの目標について「プレーオフでファイナルに行くこと」と話し、「お客さんが楽しめるバスケをしたい」と力を込めた。

◆つなぐバスケ目指す/キングスHCに就任する伊佐勉さん
 アシスタントコーチとして球団の設立当初から選手とともに戦ってきた。最下位に沈んだbjリーグ参戦1年目、2度のリーグ優勝、プレーオフ準決勝で涙をのんだ昨シーズン。さまざまな経験を経て、来季から指揮官としてチームを率いる。「(プレーオフファイナルという)リーグ最後の試合でみんなが笑顔になることが最大の目標だ」と優勝を見据える。それでも「まずは1勝を挙げたい」と堅実さをのぞかせた。
 小学生のころはプロ野球選手を目指していた。バスケットを始めたのは中学生のころ。「身長を伸ばしたかった」というのが理由だ。練習を重ねるうちにバスケの魅力に取り付かれ、NBAの試合を見てプレーの勉強をした。相手選手を欺くトリッキーなプレーが得意で、興南高校時代には選抜大会(現ウィンターカップ)で準優勝、海邦国体では県代表の優勝に貢献した。
 「パスでつなぐバスケ」を目指しており、キングスでも取り入れる。指揮官として「チームが悪いときに控え選手を信じてコートに送り出すこと」を理想とする。「主力と控えに優劣はなく全員が必要だ」と強調し、「一人一人が自分の仕事を理解し、実行したら必ず勝てる」と話した。
 県出身者では初めてキングスのヘッドコーチに就任し、「県民からわったー(私たちの)チームだと思ってもらいたい」と願う。ファンからは親しみを込めて「むーさん」と呼ばれている。宜野湾市出身の43歳。