F15また緊急着陸 周辺自治体、墜落に抗議決議


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 【嘉手納】米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機1機が5月31日午後、同基地に緊急着陸した。エンジントラブルとみられる。F15の緊急着陸は30日に続き2日連続。同28日の墜落事故後、原因が明らかにならないまま訓練を再開した米軍に対し、沖縄市、嘉手納町、北谷町の各市町議会は同31日、相次いで抗議決議と意見書を可決した。

 県議会基地関係特別委員会(新垣清涼委員長)も事故への抗議決議・意見書を6月の本会議に上程することを決めた。6日に臨時会を開き、全会一致で可決する見通し。F15戦闘機に対する安全性への懸念や反発がさらに高まりそうだ。
 目撃者によると、F15は31日午後2時50分ごろ、県道74号側から南側滑走路に進入し、滑走路に張ったワイヤに機体腹部のフックを引っかけて停止した。滑走路上で緊急車両が取り囲み、軍関係者が機体腹部を点検した。
 午後3時9分ごろ、けん引されて誘導路に移動した。同3時30分ごろに南側滑走路の運用が再開された。
 緊急着陸から1時間後、嘉手納町議会が同基地の第18航空団に対し、F15の訓練中止と撤去を要請した。対応したクリストファー・アンダーソン広報局長は「墜落事故で地元に懸念を与えたことは遺憾だ。機体はしっかり点検し、安全上問題はない」との認識を示した。緊急着陸については言及しなかった。
 また同広報局長は、F15の墜落原因について、外部からの調査員が31日夜にも来県して本格調査を始めるとし、30~60日かかるとの見通しを示した。海中に沈んだ機体を引き揚げるかどうかについては、海軍と検討しているとした。