ゆいレール営業収益6.5%増 乗客数が過去最高


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ゆいレールの業績、乗客数の推移

 沖縄都市モノレール(ゆいレール、那覇市、仲吉良次社長)は31日、2013年3月期決算を発表した。売上高に当たる営業収益は前期比6・5%増の27億1111万円で3期連続の増収となった。乗客数が過去最高を記録し運輸収入を押し上げた。減価償却費前利益は28・5%増の6億6055万円。過大な初期設備投資を毎年分割で処理する減価償却費の影響で続く赤字額は、前期比で30・7%圧縮した。

 乗客数は6・3%増の1422万9789人、運輸収入は6・2%増の25億5237万円。祭りやプロ野球などのイベント開催に合わせた臨時便の投入やフリー乗車券の24時間有効化などが奏功したほか、好調な観光産業を背景に空港や宿泊施設、観光地のある駅で乗降客が伸びた。旭橋都市再開発など沿線の施設建設も乗客増を支えた。
 車体や車体中づりの広告収入は11・2%増、コインロッカー収入が108・3%増となり、運輸雑収入は12・9%増の1億5873万円となった。
 減価償却費を含む営業費用は償却費などが減り1・7%の減少となったが、減価償却費の負担は引き続き大きく、経常損失6億3688万円、純損失6億1461万円を計上した。累積赤字は4・9%増の130億8336万円、債務超過額は12・0%増の57億4971万円となった。
 仲吉社長は「現金収入は十分に確保できている。客数は確実に増えており、モノレールは需要がある」と業績改善が着実に進んでいることを強調した。14年3月期は増便を計画するなどし需要を掘り起こし営業収益は27億4600万円、減価償却前利益6億7800万円、純損失5億1600万円を見込む。
 浦添ルートの延伸については10月から支柱の建設など本格的な整備に入る予定。