アメリカ人とアジア人との間に生まれたアメラジアンの子どもたちが通うアメラジアンスクール・イン・オキナワ(宜野湾市、セイヤー・みどり校長)の創立15周年記念パーティーが1日、宜野湾市のジュビランスで開かれ、在校生や保護者、卒業生、支援者ら約200人が出席した。
15年間で同スクールを正式に卒業したのは39人だが、在籍者の合計は約400人に上る。卒業生の中には高校や大学に進学し、日本や米国で就職した卒業生もいる。スクールで学んだ子どもたちは着実に社会へ向けて巣立ち始めている。
スクールは自身もアメラジアンの母親であり、現在スクールの校長を務めるセイヤーさんらが1998年に設立した。外見や文化の違い、言葉の壁のために一般の学校になじめないアメラジアンの子どもたちを受け入れ、英語と日本語で“ダブルの教育”を施す、無認可のフリースクールとして出発した。
セイヤーさんは「情熱と夢以外には何もなかった。困難な道のりの始まりだった」と創立当時を振り返る。周囲からの非難もあったが、沖縄人権協会や沖縄弁護士協会の助言がセイヤーさんらの活動を後押しした。創立翌年の99年には宜野湾市と沖縄市、2000年に浦添市が正式に民間教育施設と認め、スクールへの通学を公立校の出席としてみなすことを決定した。
「多くのアメラジアンは日本でもアメリカでも疎外感を感じる。彼らの居場所をつくってあげたい」という一心でセイヤーさんは15年間、アメラジアンの学習環境向上に尽力してきた。「役所の窓口やホテルなど、さまざまな場でバイリンガルの人材が求められている。スクールの子どもたちには沖縄を担い、国際的に通用する人材になってほしい」と、未来に期待を寄せた。
同スクール卒業生で、沖縄国際大学1年の福永ジャネイ幸さん(18)は「(スクールでは)同じような境遇の子たちが家族のように毎日一緒に勉強する。アットホームで楽しい学校生活だった」と振り返る。大学では簿記の勉強に励んでおり、「将来は国際税理士になりたい」と夢を膨らませている。
英文へ→AmerAsian School in Okinawa marks 15th anniversary of establishment