激戦の爪痕たどる 那覇で平和学習ウオーク


社会
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那覇市安里から首里に至る戦争の爪痕を約45人が歩いた平和学習ウオーク=1日、那覇市首里金城町

 那覇市内の戦跡を巡る平和学習ウオーク「徒歩で行く 安里から首里への道」(県平和祈念資料館友の会主催)が1日、同市内で行われた。参加した約45人の市民らは、肌にまとわりつくような蒸し暑さの中、日米両軍の激戦地となった新都心から、第32軍司令部壕の置かれた首里城へ続く道をたどった。

普段の生活で何気なく通り過ぎる道のりの足元に眠る戦争の爪痕をそれぞれがかみしめた。
 この日の出発点となった新都心の日米激戦の地「シュガーローフ」では遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表の解説を聞いた。真嘉比を抜けて一中健児の塔や養秀同窓会館を訪れ、沖縄戦体験者の話に耳を傾けた。
 友の会のガイドで首里金城町出身の吉嶺全一さん(81)が、戦禍を免れた大アカギや第32軍司令部壕の第5坑道入り口などが残る金城町周辺を解説。幾重にもやぶに覆われた第5坑道の入り口付近に立った吉嶺さんは「小学校6年の時、ここから(10・10空襲で)火の海になった那覇の街を見た。初めて『どうなってるんだ』と思った」などと戦時の子ども時代を振り返った。
 情報紙で開催を知り、姉妹で参加したという伊波まり夏(な)さん(29)、まりこさん(28)=那覇市=は「よく遊んでいる新都心で激しい戦いがあったことも知らなかった。近くに住んでいるのに初めて行く場所もあり、小学校の時に沖縄戦の授業を受けて感じたのとは違う、大人になったからこそ胸に響くものがあった」と話した。