「外に出てみ」 I―VANさん北谷高で進路講演


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北谷高の生徒らに自身の経験やジャマイカの様子を伝えたI―VANさん=5月29日、北谷町桑江の北谷高校

 【北谷】宜野湾市出身でジャマイカでレゲエダンサーとして活動し、世界大会での優勝経験も持つI―VAN(アイバン)さん(29)が5月29日、北谷高校で生徒721人を前に講演した。

特設進路講演会の一環。外に出て、自分や沖縄を見つめ直す大切さやジャマイカの貧困の現状を語った。
 「今日は先生でもなく、シージャー(先輩)でもなく、ドゥシ(友達)として話すからよ」と舞台に腰掛け、「今楽しんでいますか? もしかしたらあした、死んでしまうかもしれない。思い切り楽しまないと損するよ」と切り出したI―VANさんに、生徒らは真剣なまなざしを向けた。
 ジャマイカの生活について、町には銃声が鳴り、現地の人は仕事がなく、近所の家で食事をもらったり、寝かせてもらったりすることを紹介。「帰る家がある、食べるごはんがあることを当たり前と思うなよ。先生たちにも言うけど、不景気、仕事がないとウチナーンチュが言うな。ジャマイカの子どもたちと比べたら十二分だ」と言葉に力を込めた。
 将来の道を決めるため「携帯を触るのもいいけど、もっと外に出てみ(出てごらん)。いいこと悪いこと、成功も失敗もしたら、何か見つかるよ」とアドバイス。英語を勉強しておくことや、友人を大事するよう説いた。
 約50分聞き入った島袋由依さん(18)=同校3年=は「熱い人だった。毎日大事に生きるというメッセージが印象に残った」と話した。