全5園で騒音被害 嘉手納町「認可外」


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 【嘉手納】認可外保育園が国の防音工事費の補助対象に含まれていない問題で、嘉手納町は3日までに、費用補助の必要性や航空機騒音の子どもへの影響などの実態を把握するため、町内の認可外園全5カ所にアンケートを実施した。

同問題で自治体が独自調査をするのは初めて。調査では、5園全てが航空機などの騒音が保育活動に「影響がある」と回答。難聴など「発育への影響」や「精神的不安定」「睡眠妨害」を挙げるなど、米軍基地からの激しい爆音・騒音にさらされる認可外園の厳しい実態があらためて浮き彫りになった。
 當山宏嘉手納町長は「子どもたちにさまざまな影響があると確認できた。この結果を制度要求の根拠にしながら今後の活動に生かしたい」と話した。町は今後、認可外園の防音工事費と冷房費助成を防衛省に要請する方向で調整している。
 アンケートは、5月29日から31日にかけ、町内5園に対し書面で実施した。
 保育活動への影響について、複数回答で「子どもの睡眠妨害」を挙げたのが4園と最も多かった。次いで「保育活動の妨害」が3園、「発育への影響(難聴など)」と「精神的不安定」がそれぞれ2園だった。
 防音工事補助について、4園が「必要」と答え、1園が「必要ない」と答えた。「必要ない」と答えた園は琉球新報の取材に対し「工事中に子どもたちの居場所がなくなる」「ヘリの音はうるさいが、そこまで影響はない」と回答した。5園のうち3園が冷房設備を自己負担で設置していた。防音工事をすると、窓を閉め切ることになるため、冷房費の助成も望む声が多かった。
 町内の認可外保育園の代表らは5日にも、町と沖縄防衛局を訪れ、防音工事費と冷房費の助成を求め要請する予定だ。認可外園の光の子幼児学園の与那覇弘美園長は「認可外園だから(助成対象外)という不平等性を訴えたい」と話した。(大城和賀子)