本部壕・手術壕の説明板除幕 白梅同窓会と八重瀬町


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沖縄戦当時、白梅学徒隊の本拠地だった第24師団第一野戦病院本部壕・手術壕に説明板を設置した白梅同窓会や協力会の会員ら=4日午前、八重瀬公園

 沖縄戦の戦場に、旧日本軍の傷病兵看護のため駆り出された、県立第二高等女学校の元女子学徒らによる白梅同窓会(中山きく会長)と八重瀬町がこのほど設置した、第24師団第一野戦病院本部壕・手術壕の説明板除幕式が4日午前、八重瀬公園駐車場で行われた。学徒12人をはじめ、八重瀬町職員、白梅協力会(翁長健治会長)、県観光ボランティア友の会や平和ネットワークのガイドら25人が参加した。

 68年前の同日、野戦病院から白梅学徒隊に解散命令が下り、学徒が戦場に投げ出され、22人の命が失われた。小雨の中で執り行われた式で、中山会長は「胸がいっぱいで、私の気持ちを察してか涙雨も降っている。戦後50年間、戦争体験を語ることはできなかったが、沖縄戦を風化させてはならないと活動してきた。それも高齢となり限界を感じている。説明板で次世代に伝えていくことができればいい」とあいさつし、八重瀬町の協力に感謝した。同町の金城隆雄教育長も駆け付けた。
 同窓会では「白梅学徒看護隊の足跡めぐり」の一環で2012年6月、同町内にあった第一野戦病院新城分院(ヌヌマチガマ)に説明板を設置した。今回は町の協力も得て2件目の設置となった。70年忌を迎える15年までに、学徒が戦場への道をたどった東風平中学校や那覇市の松山公園などにも設置する予定だ。
 同町立具志頭歴史民俗資料館で4日から「白梅学徒隊の沖縄戦」も始まった。校章や卒業証書など貴重な資料が展示される。8月18日まで(月曜休館)。
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