東村高江に新種生物 ヘリパッドの影響懸念


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 【東】米軍北部訓練場内のヘリパッド建設が進む東村高江の新川川上流で、新種とみられるカニムシ2種と、奄美大島の固有種とみられてきたニセキンモリヒラタゴミムシが確認された。

日本甲虫学会会員で研究者の楠井善久さん(67)と日本鱗翅学会会員で研究者の宮城秋乃さん(34)が2月に調査した際、発見した。楠井さんは「高江はまだ調査が進んでいない場所。さらに新種が見つかる可能性がある」と話している。
 カニムシは体長1~6ミリで、土壌の中にすむ生物を食べる肉食の小動物。形はサソリに似ており、ハサミを持っているが尾がなく、毒は持っていない。
 カニムシ類に詳しい鶴見大学の佐藤英文准教授に高江で発見したカニムシを見せたところ、ホソテツチカニムシの近似種とカギカニムシの一種で、新種であることが分かった。
 ニセキンモリヒラタゴミムシはオサムシ科に属する甲虫。これまで、奄美大島の固有種と考えられてきた。高江での発見により、沖縄本島で生息していることが新たに分かった。日本甲虫学会学会誌の「さやばね」に投稿中で、次号に掲載予定という。
 楠井さんは高江で行われているヘリパッド建設について「森は一部を開発すると川の流れや木々など、その周辺に広く影響する。貴重な生物が消えていくのは目に見えている」と警鐘を鳴らした。(田吹遥子)

新種とみられるホソテツチカニムシの近似種(楠井善久さん、鶴見大学の佐藤英文准教授提供)
新種とみられるカギカニムシの一種(楠井善久さん、鶴見大学の佐藤英文准教授提供)
東村高江で発見されたニセキンモリヒラタゴミムシ(楠井善久さん提供)