植物工場に太陽光照明 電気代7割減へ


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太陽光照明システムにより外界から取り込んだ光で栽培する水菜=5日、うるま市の沖縄プラントファクトリ

 室内で光や温度を制御して野菜を栽培する植物工場の実証実験に取り組む沖縄プラントファクトリ(うるま市、坂本明社長)は、電気を使わず太陽光を効果的に室内に取り込む太陽光照明システムを実験に取り入れている。

目指す商業ベースでの工場運用を始めるまでに、最大の課題とされる高い電気代を従来の3分の1にまで削減したい考えだ。
 システムは屋根に設置した特殊なドームで光を取り込み、内面を鏡で加工したチューブの中を反射させて部屋の天井部まで届ける。チューブ先端の拡大レンズで光を散らし部屋を満遍なく照らす。曇りや雨でも光を取り込め、露地栽培と同じ光環境で野菜を栽培できるという。
 同社は昨年末までの1年半、琉球大学が植物工場の実証実験を目的に設置している中城村のコンテナ2棟を管理し、県内レストラン向けに水菜やレタスなどを出荷していた。現在は県内食品メーカーなどに植物工場の運用を提案し、管理の請け負いを目指している。
 同システムは昨年10月にうるま市の本社に1台設置。実験データは未完成だが、坂本社長は「沖縄は曇りが多く、蛍光灯に比べ成長が若干遅いが、それを加味しても電気代は安く済んでいる」と手応えを感じている。坂本社長によると、植物工場の運用で、40フィートのコンテナ1棟に使う1日の電気代は約1万円。葉野菜の栽培には1日最低14時間の光が必要とし、安価なバイオディーゼル燃料を活用した自家発電も検討中。坂本社長は「効率的に電気代削減につなげていきたい」と力を込めた。(長嶺真輝)