食欲湧く介護食学ぶ 「ウチナー料理」を考案


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 かむことや飲み込むことが困難な人にも、食べる喜びを感じてもらおうと、「うちなー介護食基礎知識調理実習・講習会」(主催・バリアフリーネットワーク会議)が1日、那覇市高良の小禄南公民館で行われた。

約25人の参加者らは、沖縄のお年寄りに合わせた「うちなー介護食」について学んだ後、調理・試食した。
 介護食とは、柔らかく調理してかみやすくしたり、とろみを付けて飲み込みやすくしたりした食事。
 講師を務めた言語聴覚士の高江洲章恵さん(33)は「現場では忙しさからメニューをただ混ぜただけの、一見何か分からない食事が出てくる場合もある。見た目や香りなど、本人が食べたくなるような介護食を職員で考案した」と話した。
 参加者は、食品にとろみを付けて飲み込みを助ける「とろみ剤」をお茶に入れ、飲み心地を体験した。調理実習では「ヒラヤーチーのペースト」など、食べやすく工夫されながらも「何の料理か分かる」メニューがテーブルに並んだ。
 家族に高齢者がいて、今後に備えて参加したという女性は「とってもおいしかった。これならみんなで一緒に食べられる」と感想を述べ、笑顔を見せた。
 主催した同会議代表の親川修さん(49)は「年を取ったらゴーヤーチャンプルーが食べられない、となるとさみしい。ぜひ近所のお年寄りに介護食を作ってあげて、地域のつながりを深めてほしい」と思いを語った。
 今後の調理実習・講習会は8、15、18日に那覇市内で予定されており、18日は飲食業者が対象。受講料は無料で、テキストの取り寄せのみも可。バリアフリーネットワーク会議(電話)098(989)1992(大矢)。(長浜良起)

できあがったうちなー介護食を囲む、講師の大矢さん(左端)と参加者ら=1日、那覇市高良の小禄南公民館
ソースのかかったヒラヤーチーペーストや、かたくり粉でとろみをつけたスープなど