船員への夢 膨らむ 中学生が体験学習


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実習船の中で沖縄水産高校専攻科の生徒の説明を聞く中学生=糸満市、沖縄水産高校

 沖縄若年内航船員確保推進協議会はこのほど、糸満市の沖縄水産高校(川満雅夫校長)で、県内の中学生35人を対象に体験学習会を開いた。

中学生は海洋技術科の実習船「海邦丸五世」に乗り込んで内部を見学し、高校進学への希望や船員になる夢を大きく膨らませた。
 国内輸送の約4割を担う内航船の船員は国内に約2万7千人(2011年度)いるが、平均年齢が高く、数年後には船員不足が生じると予想される。このため同協議会は11年度から、国土交通省の支援を受けて未来の船員確保を目的に体験学習を実施している。11、12年度の体験学習に参加した中学生のうち、16人が同校海洋技術科に入学している。
 実習船に乗り込んだ中学生は指導員の航海士や同校専攻科の生徒の説明を熱心に聞き、ブリッジ(操縦室)で電子海図、レーダーなどを興味深そうに見入っていた。佐敷中3年の嶺井健志君(14)は「ブリッジから見張り用の望遠鏡をのぞいて障害物を探したのが面白かった」と笑顔で話した。
 同校海洋技術科で指導員を務める航海士の下地正彦さん(54)は「船員になれば船に乗ってどこへでも行ける。ぜひ沖水に学びに来てほしい」と期待を寄せた。