自民憲法改正案に厳しい批判相次ぐ 県普及協が講座


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自民党の改憲草案について解説する県憲法普及協議会の高良鉄美会長(左)と加藤裕事務局長=5日午後、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる

 自民党が2012年に発表した日本国憲法改正草案を検証する県憲法普及協議会(高良鉄美会長)の「主権者のための憲法基礎講座」が5日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。

 同会の高良会長と加藤裕事務局長が草案の逐条解説をした。草案が「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない」と記し、公の平穏を理由に表現の自由を制限していることについて、加藤事務局長は「オウム真理教を想定しているようだが、オウムの犯罪は表現の自由があったからではなく、初動捜査がうまくいかずにエスカレートさせてしまったからで、問題をすり替えている」と厳しく批判した。
 高良会長はNPOや平和団体も結社に入ると説明した上で「理由さえこじつければ、平和運動も制限できてしまう。拡大解釈の危険性をもっと考えなければならない」と指摘した。
 また加藤事務局長は草案に「家族は互いに助け合わなければならない」と明記されていることに「復古主義に見えるが、社会保障を家族に押し付けて切り捨て、国際競争に勝つために力を集中させるという発想だ」と話した。
 自民党が参考にしたという世界人権宣言では「家族は社会と国による保護を受ける権利を有する」とあることに触れ、正反対の方向性だと指摘した。