平和の尊さ 未来に 港川小6年が戦争体験記録


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地域の戦争体験者の証言をタブレット端末で収録しながら聞き取りをする港川小6年の児童ら=7日、伊祖公民館

 【浦添】浦添市立港川小学校(崎濱秀一校長)で、平和を学ぶ総合学習の一環として、6年生が地域住民から戦争体験を聞き取り、記録する活動が7日、同市内で始まった。「戦争をやってはいけない」と、平和の尊さを訴える体験者の思いに、児童は「沖縄戦を未来に伝えていきたい」と力を込めた。聞き取りは11日まで行い、学習の成果は秋ごろ発表する予定だ。

 聞き取り調査は港川自治会(銘苅全郎会長)、伊祖自治会(安里正一会長)、浦城自治会(知花惟行会長)の協力で実現した。7日は伊祖と浦城で実施。10、11の両日は港川地域で聞き取りを行う。伊祖公民館では70代後半から80代の住民6人が、戦争体験を語った。児童ら35人は熱心にメモを取り、タブレット端末でインタビュー映像を収録した。
 銘苅キク江さん(78)は戦争当時、正月用に着飾る着物を大事に持っていたといい、「防空壕に隠れるときも、持っていた。死ぬときはこの着物で死のうと思っていた」と振り返った。
 親富祖ツル子さん(82)は戦中、戦後も「みんなマラリアにかかって大変だった」と話したほか、楽しみにしていた卒業式の前日に空襲が始まり、式を行えなかったという。
 仲松萌さん(11)が「戦争を知らない私たちに、何を伝えたいですか」と尋ねると、親富祖さんは「戦争をやってはいけない。家も、人も、全部がなくなる」と訴えた。仲松さんは「あらためて平和の大切さを実感した。沖縄戦を未来に伝えていきたい」と話した。(普久原裕南)