生きる喜び歌声に 言語リハビリ交流のつどい


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
全国言語リハビリのつどいの開幕で歌う「ゆんたく合唱団」=9日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 脳血管障害の後遺症による失語症者や家族が交流する、第6回言語リハビリ交流のつどいイン沖縄(主催・NPO失語症デイ振興会、共催・県失語症友の会、同大会実行委)が9日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた。

ボランティア約130人を含め全国から約300人が参加した。各地の近況を報告し合い、親睦を深めた。
 県失語症友の会(ゆんたく会)会員と家族による「ゆんたく合唱団」の歌で幕開けした。大会長を務めた大城貴代子・ゆんたく会会長は「この集いを生きる喜びをもらう場所にしてほしい」とあいさつした。
 宮古島市の伊良部島にある「フレッシュスーパーシモジ」店長を務める下地敏明さん(48)が体験発表した。5年前にくも膜下出血を患い、重度の失語症やまひの後遺症がある下地さんが、持ち前の明るさで積極的に働く様子を紹介した。努力と挑戦を続ける下地さんは「夢を達成するため、何でも今すぐやる」との言葉を会場に贈った。
 同日講演を予定していた言語聴覚士の遠藤尚志さんが4月に亡くなったため、大城会長らが追悼の言葉を述べた。遠藤さんは介護保険で行う「失語症デイケア・デイサービス」の重要性を指摘していた。大会冊子には、遠藤さんによる「失語症者の長期継続ケアは、最も弱い人たちの権利擁護に及ぶ仕事です」「失語症の人たちが生涯にわたって生き生きとした思考をいつまでも保てる社会を目指したい」との言葉が記された。
 同大会発祥の地である埼玉県坂戸市にあるデイサービス「はばたき」の実践報告、茨城県立健康プラザ管理者の大田仁史氏による特別公演も行われた。