嘉手納より南返還 仲井真知事、首相に「詳細を」


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安倍晋三首相(右)に嘉手納より南の基地返還計画の詳細情報を求める要請書を手渡す軍転協会長の仲井真弘多知事=12日、首相官邸

 【東京】県内27の米軍基地所在市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)会長の仲井真弘多知事らは12日、首相官邸で安倍晋三首相と会談し、嘉手納より南の米軍施設の返還に関する統合計画について、新たに移設される施設の詳細な情報を提供するよう求めた。

首相は「皆さんと相談しながら円滑に進めていきたい」と述べるにとどめた。
 会談には7市町村長が同席。仲井真知事は「何がどこに行くのか分からない」とし、返還手順を詳しく説明するよう要請した。統合計画の実施に伴い、県内に残る施設・区域のマスタープラン(基本計画)を策定する際に、県や市町村の意見を聴取するよう求めた。
 これに対し首相は「相手がある話だ。(米側と)交渉しながらやっていく。日本政府だけで『分かった』との返答はしづらい」とし理解を求めた。
 仲井真知事は、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて「安全性への不安が一掃されていない」と配備中止を重ねて訴えた。
 首相は「日米合同委員会の合意に基づき、住民の安全を守る観点から運用が行われるべきだ」とした。オスプレイの訓練移転に関する話はなかったという。
 会談後、仲井真知事は記者団に「具体的ではなかった。(首相は)基地負担軽減はしっかりやりたいと言っていた」と述べた。
 稲嶺進名護市長は、首相に対し米軍普天間飛行場の県内移設とセットでの返還では、統合計画は動かないと伝えたとした。
 首相との会談には菅義偉官房長官も同席。仲井真知事らは岸田文雄外相、山本一太沖縄担当相らにも同様の要請を行った。

英文へ→Okinawa Governor and Mayors ask Prime Minister for more information on return of U.S. bases