校歌で戦争の歴史学ぶ 保護者を講師に


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「よぎのおか」にまつわる話を上地秀樹さんから聞く古蔵小3年の子どもたち=10日、那覇市立古蔵小学校

 学校に関わる戦争の歴史を学んでもらおうと、那覇市立古蔵小学校PTAの上地秀樹さんが10日、同校3年生を対象に平和学習を行った。丘陵地にある学校周辺は「よぎのおか」と呼ばれ、戦前は陸軍の兵舎、戦後は米軍施設が置かれた。上地さんは「ここは戦争とつながっている場所。戦争をなくすにはどうしたらいいか、まず考えることから始めてほしい」と語り掛けた。

 古蔵小の校歌でも歌われる「よぎのおか」は1879年の琉球処分で練兵場が作られ、その後農地から兵舎へと変わり、戦後は米軍に強制接収されて与儀タンク(那覇第2貯油施設)が置かれた。タンクは那覇港湾から嘉手納飛行場までの航空燃料の移送中継地として使われた。
 上地さんは「沖縄戦のときは戦車がここを通り、人々も丘を越えて南部へ逃げていった。多くの人が亡くなった」と沖縄戦の悲惨さを語った。
 上地さんが「何で人と人が傷付け合うのかな。嫌いだからって傷付けてもいいのかな」と問い掛けると、子どもたちは「だめ」と首を振った。
 上地さんは「みんな考え方が違うのは当たり前。違うからってけんかしてはいけない。みんなで平和をつくってください」と話した。
 最後に参加者全員で校歌を歌った。儀間瑞季さんは「上地さんの話を聞いて平和がどんなに大切かが分かった」、渡慶次匡君は「戦争のひどさがよく分かった」と、それぞれ感想を述べた。