与那原(男子100M)那覇西(男子400R)V 九州高校総体


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 全九州高校総合体育大会は14日、各地で3競技を行った。陸上の南九州地区予選は男子八種競技で、前三盛敦貴(八重山)が5585点で県高校新記録と大会新記録をマークし優勝した。同400メートルリレーの那覇西(尚師尚宏、与那原良貴、金城祥冴、濱田三四郎)は40秒85の大会新記録で全国出場を決め、与那原は同100メートルでも10秒82をマークし頂点に立った。

同棒高跳びの内間未羅之(南風原)は4メートル40で2位、中村光児(同)は4メートル20で3位だった。女子砲丸投げの本村夏鈴(那覇西)は12メートル49で準優勝した。自転車はケイリン2回戦で照屋将貴(北中城)が2位で、15日の決勝に駒を進めた。ヨットは予定していた第3レースまでを行えず、翌日に持ち越した。

◆400R快走 大会新 今までで一番強い 2冠の与那原
 「今までの那覇西で、一番強い」―。エース・与那原良貴が自信たっぷりに話す通り、男子那覇西は400メートルリレーで大会新記録をマークし優勝。さらに与那原は100メートルでも頂点に立つ実力を見せつけ、2冠をつかんだ。
 リレーのスタート時、マイクの故障などでトラブルに見舞われた。1走の尚師尚宏が「力んでしまいそうだったけど、後半からうまく走れた」と3着で与那原にバトンを渡すと、与那原は2人抜きに成功。そのまま3走・金城祥冴、アンカー濱田三四郎が首位を保ち、40秒85の大会新記録を樹立し、栄冠に輝いた。
 100メートル決勝では、与那原が冬場から猛練習していたというスタートで一気に抜け出し、トップを譲らずに10秒82でフィニッシュした。100メートルは予選落ちだった濱田は「良貴が優勝しているのを見て、刺激を受けた」と、リレーで悔しい思いをぶつけた。3走の金城は「カーブをうまく走れた」と手応えをつかんだ様子。尚師は「バトンを渡すのが詰まっているので、改善できればまだタイムは伸びる」と自信満々。「全国でも表彰台に乗る」と、4人は口をそろえた。

◆前三盛 県新で八種制す 進化途上 全国表彰台へ
 約1週間前の県総体で、県高校記録を出した前三盛敦貴(八重山)が、自身の記録を129点上回る5585点で県高校記録、大会記録を塗り替えた。
 8種目のうち4競技で首位となった前三盛。もともとメーンとしていた走り高跳びでは、1メートル98センチで2位の選手に20センチ以上の差でトップ。走り幅跳び、110メートル障害でも首位。さらに「(八種)競技を始めてから触った」と話すやり投げでは、自己ベストの50メートル77を約2メートル上回る好記録で首位となった。
 高得点を出した背景には「条件が整った」ことも加わった。短距離の時はほぼ無風の好条件で、記録を期待する県勢の応援も背中を押した。苦手な1500メートルも最終種目だったため「体力を残しておく必要がなく、思い切り走れた」という。
 競技経験は浅いが、記録をどんどん更新する前三盛。「同じ競技で同じ学校の宇保祐哉君も頑張っていて、切磋琢磨(せっさたくま)できた。応援してくれたみんなの声も力になった」と、感謝の気持ちを忘れない。全国の大舞台に向けて「3位入賞できるようにもっと頑張りたい」と力を込めた。