キンキンゴーヤー復活へ 本部町健堅の在来種


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【本部】県内有数のゴーヤー産地として知られた本部町健堅で、在来の「キンキンゴーヤー」を復活させる計画が進められている。町内の農家1カ所だけに残っていたものが、20日には第1回ゴーヤースーブ(勝負)が行われるなど生産者が増えている。

地元の健堅では“ご当地ゴーヤー”として特産品にしようと盛り上がっている。
 健堅のウチナーグチ読み「キンキン」の名が付いたキンキンゴーヤーは、通常のゴーヤーより肉厚で大きく、重く、柔らかいのが特徴。大きすぎて、流通に乗らずに1970年代ごろから次第に廃れていった、との逸話が残る。
 5年前、同町東の比嘉良喜さん(82)が栽培していたものにキンキンゴーヤーの遺伝子が含まれていると分かり、当時県立農業大学校で校長を務めていた平良武康副町長と坂本守章さんが協力。交配などを繰り返し、地元で栽培を進めて旧来の特徴に近づけた。
 平良副町長は「比嘉さんの家がたまたま近所だった。ゴーヤーを復活させようと考えていたら、副町長になって具体的に進んでいった。何かの縁があるかもしれない」と振り返った。
 スーブは地元住民16人が参加。金城英一さん(76)のゴーヤーが1位となった。最重量は1・22キロで、平均的に通常サイズの3、4倍の重さがあった。参加者や町関係者はキンキンゴーヤーを前に、ゴーヤー談義に花を咲かせた。スーブを主催した仲栄真雅宏さん(68)は「料理も研究している。サラダにして本部特産カツオとの酢みそあえがおいしい」とゴーヤー片手に語った。
 キンキンゴーヤーは同町大浜の「もとぶかりゆし市場」で近く、数量限定販売を予定している。

キンキンゴーヤースーブで上位入賞し、笑顔を見せる(左から)2位の仲栄真雅宏さん、1位の金城英一さん、3位の金城和正さん=20日、本部町の健堅公民館
キンキンゴーヤー(左)と通常のゴーヤー